2017.05.22 蛍と恋
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蛍を見ると思い出す
ふるさとの小川で捕まえたあの夜のことを
虫籠を抱いて蚊帳の中に潜り込み
いつまでも蛍が光るのを見ていた夜のことを

蛍を見ると思い出す
光を失った蛍たちの無惨な朝の死を
幼心がしでかした惨さと
喜びが虚しさに変わった死のある朝の風景を

蛍を見ると思い出す
ふるさとの小川で語り合ったあの娘の横顔を
恋人という籠に閉じこめたら
消えてしまった僕の恋心と泣いたあの娘の横顔を

蛍を見ると思い出す
無惨に死に絶えた蛍と儚く醒めてしまった恋を
大切なものはそっとしておけ
捕まえなければ蛍は永遠に飛び交い恋は終わらない

2017.05.01 永久の花
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落ちこぼれて笑われて
正直に生きて馬鹿を見る
そんな自分に出会ったら云ってやれ
迷うことなく美しく生きろと
綺麗に生きて現在に死ぬよりも
ただ美しくあれと
誰も見ないところで花となれ
永久に褪せない花となれ

座る椅子もなく飢えて渇く
取り残されて途方に暮れる
そんな自分に出会ったら云ってやれ
躊躇うことなく美しく生きろと
狡くなって現在に死ぬよりも
ただ美しくあれと
誰も褒めないところで花となれ
永久に誇り高い花となれ

理不尽さの前にしなだれて
競争に負けて心が折れる
そんな自分に出会ったら云ってやれ
誰よりも美しく生きろと
嘘で誤魔化して現在に死ぬよりも
ただ美しくあれと
誰も語らないところで花となれ
永久に散らない花となれ

2017.04.17 幸せの法則
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与えられたものに感謝すること

そしてそれを無条件に愛すること

比較する心に葛藤は生まれる

幸せとは何かになることでもなく

何かを得ることでもない

それは波立つことのない穏やかな心のこと

あなたに足りないものなど何もない

今あるものを本当に愛することが出来れば

2017.04.06 忘れられた蕾
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ああ 僕のポケットに
まだ蕾は残っているだろうか
寒い冬に耐え抜いた
桜の蕾のような希望に満ちた生命が

切り落とされた首のように
大地に転がってはいないだろうか
降り残した雨雲を仰ぎ見る
悔しい青春の叶わなかった約束が

奔放さが腐らせたあの蕾も
言い訳が萎ませたこの蕾も
痛々しく足元で打ちひしがれた桜色
咲くこともない花の怨みが残る桜色


ああ 僕のポケットに
まだ蕾は残っているだろうか
死と再生を繰り返す
桜の蕾のような永遠に満ちた生命が

水底に沈んだまま忘れ去られた
土にも還れぬ未練な蕾が
深い川の底で嘆いてはいないだろうか
あの日云えなかった詫びの言葉が

軽薄さが傷つけたあの蕾も
傲慢さが鞭打ったこの蕾も
未練がましく指の先に染みついた桜色
まだ咲かぬ蕾を抱えて春に戸惑う桜色

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重い十字架を背負う子ども達と歩む
心の支えはその笑顔
灯ってはまた消える儚い笑顔
マッチを擦る僕の手には見えない疵
無力という悔しさの残る疵
永遠に消えない笑顔を探して
僕は今日も似合わない服に着替えて出掛ける
先生と呼ばれて心が痛むから

深い闇を背負う子ども達と歩む
心の支えは僕に駆け寄る明るい足音
近くて遠い切ない関係
響いては消え去る笑い声を追いかける
悔しさという無言の声を抱えて
永遠に寄り添うことの出来ない横顔に
僕は今日も詫びながら階段を下って帰る
先生と呼ばれて心が痛むから

痛い棘を背負う子ども達と歩む
心の支えはまだ見ぬ未来
悲観しては奮い立たせる希望
力の足り無さを悔やみながらも諦めない一歩
明日に先送りされた小さな一歩
永遠に満ちる一瞬を探しながら
僕は明日のためのささやかな荷造りを始める
先生と呼ばれても心が痛まぬように