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寂しい天使のいる街で

バンコクの路上で花を売る少年が
タクシーの窓をノックする
キラキラ輝く瞳に
僕は思わず目をそらす

路地裏では子どもを抱えた女が
細い腕を差し出して願う
母親の胸で眠るその顔に
僕は静かに祈るだけ

何も知らない顔をして
今日という日が過ぎても
忘れはしない天使の街で
出会った君の物語

アユタヤの夕日の寺院に向かう
まだあどけない僧侶の少年
裸足で踏みしめる大地に
僕は昔を思い出す

人力車を引く老人の明日は
闇の彼方に消え去って
天使が眠りにつく頃に
僕は心臓に手をあてる

何も知らない顔をして
今日という日が過ぎても
忘れはしない天使の街で
出会った君の物語

寂しい天使の物語





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