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憂鬱な朝の光と影

朝、茶店でモーニングを食べる

埃のついたスーツに着替え
一応出来る人間風に変身した詩人がひとり
交差点の青信号を待っている

若い母親が子どもの手を引いて
横断歩道を走る

赤信号を走る

子どもは狼狽している
学校で教えられたことと
現実のギャップに困惑している

泳いだ目をして
手をあげて
横断歩道を走る

赤信号の横断歩道は
母への疑問と
学校への疑問と
世の中への疑問へと
やがて姿を変えるだろう

あの
不本意な
子どもの目を見たか

見えない
大人の目は
あの顔をみたか

詩人は
うなだれて
電車に乗り込む

不愉快な
緑色の髪をした
若い女が向いに座る

今朝は
横断歩道が
僕を不愉快にした

電車の中の
目に映る人間も
緑色の女も不愉快だ

そこへ
老婆がひとり
乗り込んできた

緑色の髪の
若い女は
立って席を譲った

不愉快な朝の
心地よい
光景

僕たちは
人間の何に
真実を見いだせば
いいのだろうか

若い母の
許されない
行動にか

それとも

不良少女の
やさしい
行いにか

それとも

無法者の
詩人の
スーツ姿にか





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