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真夏の暑い日には電柱の日陰で眠り
冬の寒い日には車の下で寝ていた兄弟猫
いつの間にか兄は去り一匹になってしまった白黒の猫
先日の台風で雨風に打たれ雑巾のようになってしまった彼を見た
気の良い老婆が差し出す餌を玄関の前で待ち
前足で戸口に催促をする姿を見ながら辛くなった

そして彼もまた静かに去った
暑くも寒くもない天国へと旅だったのだろう
それから一週間が経っても彼のお椀は玄関の横にあった
彼が毎日そこで餌を食べていた頃そのままに
そして今日は玄関の前の彼のお椀は片付けられていた
背中を丸めて餌を頬張る彼はもういない

夏と共に彼は去った
ふと横を通り過ぎる兄弟猫の気配を感じた
しかし振り返ってもそこに彼らはいなかった
彼らが暮らした懐かしい路地には彼らの魂だけが遊んでいる
兄弟仲良く寄り添って道の真ん中に寝ていた白黒の猫
慎ましく生きた兄弟猫の一生を僕はそっと心に刻んだ

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