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2018.04.18
人と人間

人から人間になれるようにと
新しい制服を着た生徒が重い鞄を背負って歩く
好むと好まざるとに関わらず
生きるカタチを教え込まれるために
人から人間に向かう道には迷いと葛藤ばかり
でもその苦しみが何なのかを皆知らない
やがて木々は葉を落とされ枝を削がれ切り倒される
人であった記憶を消し去るために
蝶も舞わず鳥も鳴かない冷たい世界に
やがてステンレスの柱が立つだろう
森は消え去り人間は人であったことを忘れる
システムが何もかも解決してくれると信じて
けれど痛みは心の底から消えはしない
人であった僅かな記憶が根のように残っているから
人間である前に人であれと血液が叫ぶ
与えられた天秤ばかりを疑えと太古の記憶が叫ぶ
人から人間になれるようにと出来た教科書
新しい制服を着て重い鞄を背負う生徒たち
人間にされる前に人であることを忘れてはならない
教科書に悪戯書きしながら話は半分聞くが良い
人間になるための作法を教え込まれたなら
人に戻るために自分で学び直しなさい
終わらない苦しみの正体を知りなさい
人であった時代の優しさが自分を責めることを
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