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2012.03.14 無駄を楽しむ
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彼は億万長者となり高級外車を乗りまわし
僕はしがない釣り師となって昼から池の畔でぼんやり過ごす

お互い嘘だらけの世の中で自分の好きな嘘を選び
お互い暇つぶしの人生の中で自分の好きな暇つぶしを選んだ

そしてお互いの信じた嘘を真実だと思い込むことに努力し
お互いの人生が暇つぶしであることの事実を無視しようと努めた

彼から見れば僕の人生はまったく時間の無駄に思えただろうし
僕から見れば彼の人生はまったく時間の無駄に思えた

人間は100%死ぬのに何故生きるのだろうか
誰かがそんなことを言っていたことを思い出す

どうせ死ぬんだから何をやってもすべては無駄
誰かがそんなことを言っていたことを今でも覚えている

彼は無駄という言葉を封印してお金を稼ぐ努力を続け
僕も無駄という言葉を黙殺しながら釣り糸を垂れてきた

生まれてから死んでしまうまでの時間は人それぞれ
人は何故生きるのかなんて考えても答えは出てこない

お互いが信じるものを選択して疑わずに懸命に生きること
彼にも僕にも結局それしか生きる道はないのだろう

彼は無駄な人生の豊かなる無駄を大いに楽しみ生きて
僕は無駄な人生の愛すべき無駄を喜んで受け入れる

彼は自分自身の存在すら時には無駄だと痛感し
僕も自分自身の存在が無駄であるという問いから逃れられない

すべてを投げ捨てて死んでしまおうかと思ったり
まだまだ生きる価値があるのだと言い聞かせたりして日々を過ごす

しかし無駄は無駄ゆえに豊かなのだと信じてもいい
生きることの滑稽さを自覚しながらも生きたいと願う健気な自分を愛することが出来る

彼は無駄な時間を楽しみ糧とする
僕も無駄な時間を喜び生きることの豊かさを学ぶ

たとえ好きな嘘や好きな暇つぶしがお互いに違っていたとしても
彼も僕も無駄な人生を豊かさで溢れる時間に変えることが出来るだろう

彼は大いなる嘘を信じて日々を喜び
僕は大いなる無駄を抱えながら日々に感謝する


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