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2009.08.18 いのちの作法
いのちの作法 

たとえば私が
誰かと違っていたとしても
愛してくれるあなたがいる幸せ

たとえばあなたが
誰かと違っていたとしても
愛することが出来る私の幸せ

年老いた母は
もう箸さえ自分で持てない
私に「ごめんね」と言って遠くを見ている
私は母の口元にお粥をはこぶ
いつだったか
あなたが私にそうしてくれたように

年老いた父は
もうひとりでは立ち上がれない
私に「ありがとう」と呟いて頭をさげた
私は父の細くなった腕を抱える
幼い日に
あなたが私にそうしてくれたように

たとえば私が
ひとりぼっちで泣いているときも
励ましてくれるあなたがいる幸せ

たとえばあなたが
私を忘れてしまったとしても
あなたを覚えている私の幸せ

あなたは少しだけ弱く生まれてきたけれど
あなたが生まれた日
私はどんなに嬉しかっただろう
家族も友人もみんなが笑っていたあの日
私が少し弱気になっているとき
無邪気に微笑むあなたこそが私の宝物

あなたの友人として
あなたと共に今日を生きる
私はあなたの手がとても温かいことを知っている
私の手はあなたの手の上に
あなたの手は私の手の上に
心は同じベンチの日だまりの中で遊んでいる

たとえば私が
生きる意味を見失ったときにも
希望に満ちたこの場所がある幸せ

たとえばあなたが
傷ついた心で世間に背を向けても
黙って微笑む家族がいる幸せ

家族も友人も学校も信じられず
希望の光を見失ってしまった私に
あなたは「いつでも帰っておいで」と言ってくれた
あなたのいる小さな村の夏
水辺で笑いあった大切な仲間たち
もうひとつの家族が教えてくれた「ありがとう」という言葉

心を閉ざしたまま迎える食卓
精一杯の愛情が大きなお皿に盛られる頃
私はご飯を食べながら泣いた
何故か心の中の鎖がほどけていって
泪がテーブルの上に落ちた
温かな食卓が教えてくれたのは「ごめんなさい」という言葉

生きることに作法があるなら
私とあなたは同じということ

生きることに作法があるなら
どんな命もすべて愛おしいということ

あなたがいて
わたしがいて
共に生きること

それがいのちの作法





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