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サイゴンから車で1時間半ほど高速道路やら、
ドロドロ、ガタガタのチョコレートのような道を走りミトーという街に着いた。
ここがメコンデルタである。
ジャングルを抜けてしばらく歩くと手こぎボートの乗り場があった。
そこから曲がりくねった川を進むのだが、ワニでも出てきそうな雰囲気だった。
途中の陸に上陸し、一休みするのだがそこはココナッツキャンディー工場だった。
そこら彼処に甘い香りが立ちこめる中、現地の人たちがせっせとキャンディーを作っている。
工場と言っても単なる葉っぱで葺いた屋根の下で作業をしているだけだ。
ここにはキャンディーばかりではなく、様々な食べ物が置いてある。
その中でも酒飲みが目を付けたのがココナッツの焼酎。
ほんのり甘く香ばしいリキュールのような味でなかなかいけるので購入した。
もちろんキャンディーも買ったのだが、恐らく部屋の隅で埃をかぶることになるだろう。

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休憩が終わり、リュックが多少重くなったところでまたジャングルを歩く。
ふと、どこからともなく賑やかな音楽と歓声が聞こえてきたので行ってみると結婚式だった。
なんと、このジャングルの中に点在する集落の中で結婚式に出会うとは。
まあ、何の関わりもない僕なのだがそれに混じって写真を撮らせてもらった。
カップルは少し気恥ずかしげにポーズをとりながら幸せそうに寄り添っている。
ジャングルの中の至福の時間が穏やかに流れ、辺りを和やかにしている。
その後、やけに愛想のいい兄ちゃんが現れて、帰り際には満面の笑みで見送ってくれた。
その顔を眺めていると昔どこかで会ったような懐かしい気持ちになって気分が良かった。

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さて、いよいよメインのメコン河の本流にエンジン船で向かう。
屋根をかけたオンボロ船のエンジンが心地よく鳴り響き頬に風を感じる。
やはり河の水はコーヒー牛乳色をしている。
ここはデルタなので河口に近いためか潮の香りがする。
幼い頃から港町で育った僕の鼻はこの安らぎにも似た香りにすぐに反応するのだ。
遙向こうの川岸には無数の漁船が列んでいるし、
河のあちらこちらにはトタン屋根の家が浮かんでいる。
聞けばそれは魚の養殖場で、日本向けに海老も養殖されているらしい。
思えば、スーパーで買っている海老にもベトナム産と書いてあったと記憶しているから、
もしかしたらこのメコン河の水で育った海老に僕もお世話になっているのかも知れない。

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余談になるが、サイゴンで見知らぬ男に声をかけられた女性が、このメコン川クルーズに誘われ、
河の真ん中でエンジンを切られてお金を脅し取られるという事件もあったらしい。
本当に外国では何が起こるか分からない。
まあ、見知らぬ男に着いていけば、サイゴンでなく日本でも危険なのだが・・・。
どうやら日本人の他人任せで危機感のない日常を他国に持ち込んでしまった本人の責任もあるだろうな。
その他にも賭博で騙されたり、睡眠薬強盗なんてのもあるらしいから油断も隙もない。
河の真ん中でエンジンを切られて・・・考えただけで恐ろしくないか?

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このメコンデルタには4つの島がある。
ガイドが説明してくれたが、不覚にもまるで覚えていない。
この辺りではベトナム戦争の時に水上戦があったと聞いてはいるが、
一見したところ、その当時の風景と現在の風景はさほど変わっていないのではないかと思える。
大きく変わったのは日本の業者が建設したという新しくて巨大な橋が架かっていることだろう。
この巨大な橋の他にこの河を渡る手段は渡し船のみ。
昔は僕の田舎にも渡し船があったのを思い出す。
思えば、そんな小さなふれあいの中から多くのことを子ども時代に学んだ気がする。
メコン河から渡し船が消える頃、この国はどのような変化を遂げるのだろうか。
メコン河の懐を漂いながら、何故だか故郷のことを思い出していた。
ここには日本ではもう見ることの出来ない懐かしい風景がある。
小さな幸せを発見することの素晴らしさを改めて考えさせられた。
そして今日という日は誰かにとっての記念日であることを知った。


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