FC2ブログ
2010.09.01 入道雲
夕焼けに染まる入道雲
その階段を上って
少年の頃の僕はもうひとつの国へ行った
そこは下界の悲しみや寂しさと無縁の場所
夢中になって遊べる楽園だった

しかし夕焼けに染まる入道雲のその階段から
少年の頃の僕が下りて来ることはなかった
いくら呼んでも彼は戻ってこなかった
色を失った夕焼けが
ゆっくりと夏の終わりの闇に消えても

夕焼けに染まる入道雲
その切ない階段を眺めながら
大人になった僕は
帰ってこない少年の頃の僕を思い出している

夕焼けに染まる入道雲の
その切なく美しい階段を見る度に
僕は少年の頃の僕に話しかけている
もう怖くないよと
スポンサーサイト