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2010.05.14 燕の旅立ち
親鳥の姿は既に無く
兄弟達は旅立った
しかし君はいつまでも
天空に口を開けて餌を待っている

親鳥が消えた日を君は知らない
それは昨日だったということを
兄弟達が旅立つたのを君は知らない
それは今日だったことを

だけど君は信じている
以前と同じ日がまた帰ってくると
声をあげながら空に口を開いて
もう誰もいないことに気付きもせずに

君にはいまこそ旅立って
恋人を探す季節がやってきた
そして新しい友人の家の玄関を叩く
叩けば誰かがそれに答えるだろう

もしもその玄関が虚しく閉じられて
誰も出てこなくても恐れることはない
そこには愛が不在なのだから
君は新しい家の玄関をまた叩けばいい

親鳥の姿は既に無く
兄弟達は旅立った
しかし君はいつまでも
天空に口を開けて餌を待っている

親鳥が消えた日を君は知らない
それは昨日だったということを
兄弟達が旅立つたのを君は知らない
それは今日だったことを

だけど君は信じている
以前と同じ日がまた帰ってくると
声をあげながら空に口を開いて
もう誰もいないことに気付きもせずに

懐かしい者たちが消え失せて
その別れを知るのはいつも今日
心の準備もしないうちに
その朝はやってくる

君はいつまで口を開いて
餌を待っているのだろうか
親鳥や兄弟達のいる空を飛ぶには
旅立ちの決意をするしかない

君は覚えているだろうか
幼い君の旅立ちを祈りながら
君のいる傍を名残惜しそうに飛んだ
親鳥と兄弟達の顔を

藁のベッドに風が吹く頃
思い出は消え失せ
また新しい物語が始まるだろう
今日こそがその日なのだから


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