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2010.04.21 完全なる調和
朝起きて電器屋へ行こうと思ったのだが、
いま僕に必要なのは電器屋などではない!と確信し、
いそいそと釣りの支度を始めたのだった。

そして自宅から1時間ほどで行ける京都の釣り場へと向かった。
そこは秘密の場所なので内緒なのだ・・・○○○○湖というお気に入りの場所。
ここでは携帯もメールも届かない。それがまたいい。
「繋がりたがり病」の世界から脱却した感じで実に清々しい。
そして第一投目のルアーが山の空気を切り裂いて跳んでいく。
激しい当たりがきた。竿は弓なりにしなり、肉体が全ての感情を放出する。
僕は空になり、何処の誰でもない自分を感じる。
魚は水面下で精一杯の力を振り絞り僕と闘う。
水面をラインが縦横無尽に走り回り、魚の反転する文様がいたる所に出来る。
太陽がそれに反射したとき恍惚の時がやってきた。
魚は手元に追い詰められてもなおも闘う。
強靱な尾びれが水面を叩き、水しぶきが上がる。
その聖水のようなしずくを全身に浴びながら僕は子どもに帰って行く。
やがて、力尽きた魚は青い空を見つめながら水面でおとなしくなる。
かくして、「完全なる調和」は完結される。

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今日はぶっ通しで7時間半湖畔に立ちつくし、
一瞬たりともとぎれない集中力を水面に注いだ。
そして、今日は40センチ程度のニジマスを11本捕った。
他のことは何も考えなかった。
下界では何でもかんでも、過剰か不足のどちらかだ。
そして「完全なる調和」はここにしかない。
これ以上も、これ以下もないから、無欲でここに存在できる。

たまに、「釣りをしたことがない」という男子に出会うが、
僕には「まだ生きたことがない」と聞こえてしまう。
人生の大切なことの大部分は釣りによって学ぶことが出来る。

こんな話がある。
将軍が勝利して行軍している最中に橋のたもとで釣りをしている老人に出会った。
将軍は「お前は暢気に釣りなんぞしているが、私のように出世したいとは思わないか?」
老人は答えた「出世してどうするんです?」
将軍は言った「出世したら、好きなものを食べ、大きな屋敷にも住める」
老人は言った「その後はどうするんです?」
将軍は言った「そうだな、好きな時間を好きなように遊んで暮らすさ。釣りでもしてね」
老人は言った「それなら、わしと何が違うんだい?」と。

まあ、釣りバカの戯言ですが。



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