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2010.04.20 神聖な場所
冷蔵庫に入れていい物。
ジンにウォッカにラム。
ソーダ水にトニックウォーターにビール。
そして大量の氷。
それ以外の物は神聖な場所に相応しくない。
そしてそれらがギッシリと詰め込まれていなくては冷蔵庫ではない。
今日、冷蔵庫が壊れ、天国は崩壊した。
全てが生ぬるく、氷は泣き顔になっている。
何てこった!
僕は半分キレかかっている。
神が不在の天国よりも、このことは更に危機的状況だ。
冷蔵庫は素晴らしい1日の終わりをもたらす。
下界の怠惰な時間を冷蔵庫が忘れさせてくれる。
キンキンの氷にスコッチを注げば全ては赦されたのに、
冷蔵庫は壊れてしまった。
新しい冷蔵庫を買わねばならない、それはいい。
しかし、新しい冷蔵庫に宿る神は僕に合っているか疑問だ。
エコポイント?そんなことはどうでもいい。
どれもこれも気に入らない冷蔵庫が並んでいる電器屋。
なぜ、フリーザーが冷蔵室の下に付いているんだ。
フリーザーは一番上と、遙か昔から決まっているのに。
なぜ、下にあるんだ。
それに、訳の分からんこの製氷器は何なんだ。
見ただけで神聖な感じはない。
これを書きながら、泣いている氷をすくいグラスに放り込む。
今夜は葬式のようなスコッチをすすっている。
なんてこった!
新しい冷蔵庫も、新しい神もいらない。
12年前の冷蔵庫が一番いい。
長い年月の夜の時間に幸せを運んでくれたこいつがいい。
苦楽を共にし、愚痴と悔恨にまみれた冷蔵庫が好きだ。
しかし、明日、電気屋に行くことにしよう。
新しい冷蔵庫を買えば買ったで、それになれてしまう自分が嫌いだ。
しかし、電器屋に行かねばなるまい。
今夜は悪夢を見そうだ。
エコポイントの申請書を破り捨てる夢だ。
愛する冷蔵庫がリサイクル税と一緒に連れ去られる夢だ。
いつまでも出来ない氷を待ちわびる夢だ。
冷凍庫に肉が入っている悪夢だ。
唯一入れていい物はサラダだ、大量のサラダ。
冷蔵庫の中の緑の自然だ。これはいい。
この世で僕を待っている確かな物はソーダ水だ。
彼女はいつも僕を待ちわびている。
グラスに注いだら彼女と話が出来る。
詩や釣りの話をしながら夜は更ける。
しかし、彼女の寝床は壊れている。
ぬるくなっている。
明日は、電器屋に行こう。
酒飲みにエコは似合わない。古い冷蔵庫はないだろうか?
古い古い、優しい冷蔵庫はないか?
古くて優しい昭和の女のような冷蔵庫が欲しい。
程良さを知っている冷蔵が欲しい。
冷蔵庫が壊れた。
冷蔵庫は瀕死の状態でも泣いた氷を保持している。
みあげた根性だ。俺を喜ばせるために、働いている。
しかし、明日はどうだろう?
力尽きてしまうかも知れない。
それか、他人行儀な女を招き入れて、他人行儀な水割りを飲むか?
とにかく、今日は落としどころを見つけられない。
仕方がないので、悪夢と知りつつ寝るか。
お前の死にものぐるいの泣いた氷でもう一杯。
それを飲んだら、眠ってしまおう。











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