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2024.02.19 サーカス小屋
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綱渡り時代のサーカスだ
他者を理解しなければ落ちるぞ
袋叩きの奈落の底へ

綱渡り時代のサーカスだ
多様性を認めなければ落ちるぞ
言葉に気を付けて歩け

綱渡り時代のサーカスだ
差別や好き嫌いがあったら落ちるぞ
細くて厳格なロープの上だ

綱渡り時代のサーカスだ
本当の事を話したら落ちるぞ
体調不良でピエロはお休みだ

綱渡り時代のサーカスだ
死んだふりをしていないと落ちるぞ
誰かが油を塗っているから

綱渡り時代のサーカスだ
夢の中でもうなされて落ちるぞ
何処にも出口のないサーカス小屋だ
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2024.02.09 ラストシーン
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真夏の太陽の下
白いオートバイで疾走し
アスファルトの道路と電信柱に
青春を散らした友がいた
生きる運の尽きた友
そんな人生のラストシーン

子ども達を残して
愛する妻も残して
車の中で練炭を焚き
ひとり淋しく去った友がいた
生きる気力の消えた友
そんな人生のラストシーン

ウイッグをつけて
恥ずかしそうに笑った
チューブにつながれた痛々しい腕
病室からの短いメールが途絶えた友がいた
生きたいのに生きられない友
そんな人生のラストシーン

僕は今日60歳になった
長生きは格好悪いと思っていたのに
生き延びてしまった不良少年
生きたかったのに死んでいった友の為に
僕は終わらない青春を生きる
人生のラストシーンを待ちながら

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ふいにめまいを感じた
扉がガタガタと震えて倒れそうになった
でもそれはめまいではなかった

能登半島震度7

目を疑った
阪神に東日本
悪夢の再来が頭の中を駆け巡った

ホテルのフロント係が言った
ここは内海ですから津波の心配はありません
どうぞお部屋にお戻りくださいませ

何が運命を分けるのか
分けられた片方に無事でいる自分を感じた
そしてそうではない人たちの事が頭をよぎった

ホテルを出て南知多の渚に立った
茜雲に染まる美しい夕日がそこにあった
でも波の音が誰かの助けを呼ぶ声と重なった

能登半島震度7

何が運命を分けるのか
旅先はここではなく能登だったかも知れない
もしもという終わらない問いかけが浮かんでは消えた

温泉に浸かり伊勢海老を喰った
ウイスキーを飲みながら地震のニュースを検索した
むかし歩いた輪島の朝市通りが燃えていた

何が運命を分けるのか
そしてそれはソレで
これはコレと分けられる薄情な自分に気づいた

ロビーに降りてソファーに腰かけた
真っ暗な海を見ながらワインを飲んだ
ミックスナッツをかじる度に後ろめたさを感じた

能登半島震度7

何が運命を分けるのか
天国のような元日の夕暮れと
地獄のような元日の夕暮れの残酷さほどに

旅から戻り地震のニュースを見ていた
子どもは三日三晩なにも食べていないのです
悲痛な言葉に心が痛かった

三が日に食べ過ぎて2キロ増えた体重計を見た
そして被災地には未だに物資は届かないのだと知った
不思議な罪悪感が胃を締め付けた

能登半島震度7

何が運命を分けるのか
家族と共に祝うはずだった誰かの新年に
僕は静かに目を閉じて手を合わせた

2023.12.31 新時代
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新時代という混沌の朝に
常識になってしまった非常識を数えていた
自分を否定されたような気がした
子どもの頃から大切だと信じていた事は嘘
恥知らずな仕草を受け入れて
意味不明な歌詞の音楽が好きな振りをする
非常識な常識に困惑しながら
疲れ果てて大晦日の紅白歌合戦を見る
僕は新時代が嫌いだ


新時代という仮想現実の朝に
常識になりつつある非常識を思っていた
自分の内側に渦巻く虚無感を知った
人工知能と道徳の押し付けが道の真ん中を歩く
過程は重要ではなく結果があればいい
誰もが吊るし上げられないように戦々恐々
心はどうであれ美しい言葉で誤魔化せば
持続可能な社会と他者理解で飾った
御来光も見えない新時代の新年がやってくる
僕は新時代が嫌いだ

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私がお母さんになったら
子どもが小さいうちは
家で出来る仕事をします
だって独りぼっちの子どもは可哀そうだから

私がお母さんになって
子どもがお留守番できるなら
週に3回だけ外でアルバイトをします
だって独りぼっちの子どもは可哀そうだから

私が5歳になった頃から
お母さんは笑わなくなりました

私が5歳になる前から
お父さんは笑いませんでした

私がお母さんになったら
子どもにはいつも笑顔を見せたい
だって笑顔が見られない子どもは可哀そうだから

私がお母さんになったら
私のお母さんのようにはなりたくない
だって独りぼっちの子どもは可哀そうだから

私がお母さんになったら
子どもにはいつも優しくしたい

私がお母さんになったら

私がいつかお母さんになったら