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風に言葉を書き続けてきた
形にも残らず書店にも並ばない言葉を
いま目の前で生きている仲間と
いま目の前でそれを観てくれる人だけで
僕たちしか知らない人生を生きようと思った

記憶の中の本棚には涙と汗と笑顔がしまってある
いつか懐かしく思い出すこともあるだろう
だけどその思い出す人もやがて風になるだろう
憶えていることも幸せだけど
忘れられることも幸せなのかも知れない

本当に大切なものは今でしか伝えられない
僕たちしか知らないこの瞬間には真実だけがある
風に書いた言葉だけに生命は宿る
過去の遺物にも未来の想像の中にもそれはない
振り返らず追う必要も無い美しい生命の輝きがある

何かを残すことだけに囚われれば言葉は濁る
風のように生まれ消え去るところに伝えるべきものがある
僕たちしか知らない幸せは僕たちだけのもの
だから今日も風に言葉を書き続けている
そして風のように忘れ去られたい

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2019.12.29 新しい時代
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昭和は足し算
平成は掛け算
令和は引き算を覚えよう
便利さには幻覚作用がある
果てしない欲望は楽をしたせい
使えば身は痩せ細り心もやがて朽ち果てる

昭和は足し算
平成は掛け算
令和は引き算を覚えよう
いらない物をどんどん捨てよう
不自由なのは持ち過ぎたせい
心に付いた贅肉は優しい心を鈍らせる

昭和は足し算
平成は掛け算
令和は引き算を覚えよう
ごちそうさまと箸を置こう
未来を食べ尽くしてしまうから
ひとつの物を分け合う美しい世界が来るように

昭和は足し算
平成は掛け算
令和は引き算を覚えよう
無限の迷路に惑わないように
金色の壁だらけの街を抜けだそう
今日という足元に咲く花を見つけるために

2019.12.06 海に降る雪
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海に降る雪を見たのは
まだ若かった頃の12月
あれは儚く無防備な青春の砂時計
落ちては消える白い刻の横顔
オートバイのエンジンに手をかざして
僅かな暖かみを感じながら
日本海の白い波を瞳に映して

海に降る雪を見に来たのは
汚れた心を洗うため
あれは嘘つきになって初めて見た海
降っては舞い上がる悔恨の思い
革ジャンの背中から小さな温もりは消え
夏の日も笑顔も静粛の中に落ちてゆく
浜辺には日本海の白い波がただ打ち寄せている

海に降る雪は寂しくて美しい
刻々と過ぎ去ってゆく若さのにように
あれは永遠など無いと教えてくれた海
出会っては別れる切ない冬の真実
海に降る雪は降り積もらずに消えてゆく
それなのに果てしなく降ってくる
落ちる先が波間であろうと諦めずに降ってくる

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無意味でありなさい
意味を求める心には恐れがある

無意味でありなさい
意味は価値を主張するから

無意味でありなさい
意味は何かを正当化する言い訳

無意味でありなさい
意味で真心を濁らせないよう

無意味でありなさい
意味に正しさの根拠はない

無意味でありなさい
意味がなくとも豊かに過ごせる

無意味でありなさい
意味に縋るのを止めれば自由になれる

無意味でありなさい
意味など無いと笑ってしまいなさい

無意味でありなさい
意味ではなく愛で人は出来ている

無意味でありなさい
意味を探して生きるのは愚か

無意味でありなさい
意味を超えた場所に真の幸福はある

無意味でありなさい
意味など無くても生きていていい
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思いを伝えるために言葉を綴り始めた

それでも伝えられないから言葉を綴り続けている

そして今は言葉を超えようとして言葉を綴っている

それは言葉という音符だろうか

痛いほどの旋律が豊かに溢れ出るような音楽だろうか

言葉の持つ意味だけで伝わることはとても少ない

だから皮膚と感情に染み込むような言葉を探している

言葉が意味を伝えるだけの道具だとしたら便利だけど寂しい

人生の過程で人は思いを伝えるためにどれだけの言葉を綴るだろう

綴る度にその不完全さに苛立ちながらも綴らずにはいられない

言葉で言い尽くせない思いの代わりに抱きしめ合う日もあるだろう

言葉が言葉を超えるとき意味は消え失せ思いだけが残る

やがて沈黙という言葉が訪れて言葉を超えた言葉は血管を巡る

だから言葉は発した先から消え失せるがよい

頭で意味が理解される前に五感に浸透する言葉を見つけたい

風が窓を吹き過ぎる時にあなたの長い髪を揺らすように